漂う川にも等しく星は降る

短歌と詩と掌編とか日常いろいろ

詩 - いつだってわたしは

いつだってわたしは

どこまでも とべるのに

どこへだって いけるのに

だれにだって なれるのに

 

とらえてはなさないのは いつだってわたしで

いまだってがんじがらめになって

 

なにもかも だれもかれも わからなくなってしまう

 

わたしはいつだって とうめいで

わたしはいつだって まっしろで

わたしはいつだって まっくろだ

 

詩 - 何もないところから僕らは生まれて

何もないところから僕らは生まれて

求めて 求められて

しあわせだね って笑い合ったのは昨日なのに

 

寂しさを抱えた心が今日に絡まって

ひとつになろうとして伸ばした指先は

君に触れられないまま擦り抜ける

 

目の前にいた君が 背中合わせに立っていて

見ようとしても見えなくて

交わりたくても交われない

 

届くはずなのに遠くに在って

触れてるはずなのに其処に無い

 

どれが真実かなんてわからないまま

事実を紡いで平静を装うけど

本当は 悲鳴をあげた僕自身が

身体を突き破って出てきてしまいそうで

 

昨日も 今日も きっと明日も 僕自身に怯えてる

 

詩 - 夜の海に浮かぶ

夜の海に浮かぶ

波が優しく打ち付けて 私を連れ去る

月明かりに照らされて 波が連れ去る

遠く 遠く 岸から離れる

 

私はいつも不安になる

行き先のわからない導きに戸惑う

 

信じたくても信じられなくて

委ねたくても委ねられなくて

浮かぶのを止めたくてもがくのだけど

優しく包まれると何も言えなくなる

もう流れは止められないのだと知る

 

たゆたう以外に選択肢はなくて

見上げた夜空の瞬く星に 私はなれなかった

 

短歌 - ゆらゆらとたゆたう君を捕まえて

 

ゆらゆらとたゆたう君を捕まえて ぽろぽろぽろと零れるあなた

 

短歌 - 夜が来て今日という日が死んでゆく

 

夜が来て今日という日が死んでゆく 瞬く星が今日を葬る

 

短歌 - いつの日かきっと出逢えると信じてる

 

いつの日かきっと出逢えると信じてる 理想の場所で待つ木曜

 

短歌 - 振り向けばいつも君がそこに居て

 

振り向けばいつも君がそこに居て だから私は何処へでも行ける